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映画「日の丸 寺山修司40年目の挑発」を観た

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まずはじめに寺山修司はほぼ出てこない。

率直に申しあげると観終わってから腹がたってきた。学生のモラトリアムを凝縮した習作をみているようなそんな気分にさせられたというか。

 

監督の佐井大紀(94年生)が、TBS入社時に研修だったかでみせられた、寺山修司が企画したドキュメンタリにショックを受けて、いつか自分もやってみたいと思っていたことを実行にうつした映像作品。

以下、腹が立った点。

・インタビュワーが、元々のドキュメントでは、3人の女性が、無機質に街頭質問を繰り返していくという構造(演出)をしていたのに、本映画では監督がふんふんとうなずきながら、街頭質問をしていたこと(うなずきは致命的欠陥だと思いました)。

・そもそも第3者を使わなかったことに対して、元の作品でインタビューしていた女性の一人が非難が殺到された結果、連絡つかずになったことに対して、監督がその責任を第3者に負ってもらうことはできないとか言っていたこと。それらも含めての演出、エゴなのにそれを監督自らがやってしまうと意味がなくなる上、インタビューのトーンも元ネタの番組を模倣しているようでいて、オタクの早口しゃべりみたいで稚拙に聞こえた。

・ツイッターを使用したアンケートで十分な回答があつまらなかったのに、無理矢理尺をとって映像にしたこと。ただし、カメラマンの方のインタビューはよかった。

・イラストをインサートしたこと。

・寺山修司がおおっぴらに関係していそうなタイトル(音声テープなどは出てくる)。

・撮影が2021年11月で、ウクライナ侵攻、安倍晋三射殺事件前で、その後のインタビューがなかったこと。これ、最大のミスじゃないですかね。わたしなら、とりなおすか、事件前の出演者に連絡とって比較するか、街頭で撮り直すけど(比較しても面白そうだし)。

 

ただし、テレビマンユニオン関係者へのインタビューは貴重かつ興味ぶかかったです。ことごとく残念なアプローチでした。

 

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