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十二国記 5「丕緒の鳥」を読んだ

丕緒の鳥(慶東国)」
「落照の獄(柳北国)」
「青条の蘭(雁州国)」
「風信(慶東国)」

の短編集。

 

王の話ではなく、民視点の話で、どれも生活感があって、重くのしかかってくるようなものが多かった。

 

丕緒の鳥は、弓で陶製の鳥を撃ち落とす儀礼があるって設定だけで好きになった。鳥の工夫とか、なるほどっていった感じのまとまり方。それにしてもここの登場人物、みんなウェットな人が多いな。

 

 

 

落照の獄は、死刑を希望して殺人を犯したよーな狂人を死刑にすべきかどうかというテーマ。これ、若者向けのファンタジーでこの主題を持ってきた著者がすごいなぁと。

タイムリーにもこんな事件の裁判がありました。わたしなら死刑にはしないかな。

新幹線通り魔殺人犯が望んだ「一生刑務所」、司法が判決でお墨付きの理不尽 | ニュース3面鏡 | ダイヤモンド・オンライン

 

 

青条の蘭は、蘭を王にわたすというだけの話だけど、読んでいるだけで、大変すぎて、登山しかのような気分になってしまう。やっていないけど、デス・ストランディングみたいなものかもしれない(配達するひとは受け継がれていくけど)。

 

 

 

風信は、あがらない雨はないというか、いつか冬がおわり春がくるといったあたりまえのことの爽やかさで締めてくれた。

 

丕緒の鳥 (ひしょのとり)  十二国記 5 (新潮文庫)

丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: 文庫