今週のお題「テスト」
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学生時代、ただでさえテストから逃げていたわたしですが、社会人になるとますますテストなるものを受けなくなりました。とはいえ、社会人でもたまにテストを行うことがあります。試掘とか試走とか、システムの仮アップとか、花火の試し打ちとか。
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わたしが演出家の丁稚をしていた時の話です。
某野外イベントで噴水と花火をあげることになりました。しかし、いままで花火をあげたことがない場所だったので、本当に大丈夫かどうかを判断するテストを行いました。テストといっても簡単なもので、実際に使う低温花火をあげ、そこに手を入れてみせて、「ほら、やけどもしないようなものだから、火事はおきません」というもので、あっさり終わりました。行政にもその様子を映像で見せて、大丈夫であることを約束し、許可も降りました。
わたしは「へー、全然あつくないんですね」と関心していました。
花火屋さんは「その分、地味なんだけどね」と教えてくれました。
それから1ヵ月後ぐらいでしょうか。いよいよ本番がはじまりました。
ぷしゅわーーーーっと噴き出す花火。大きな歓声。暗闇によく花火は映えました。まるで、低温花火ではないみたいに……。さすがにわたしでも気が付き確認しました。
「これ、低温花火じゃないですよね?」
「あれ、地味だからね!」
そう、地味な花火ではいまいちインパクトにかけるということで、こっそりと派手な普通にやけどする花火にすり替わっていたのでした。
花火をあげて3日目ぐらいでしょうか。イベント終了後に地面から煙がくすぶっていました。てっきり花火の打ち出し筒から煙がでているのかと思っていたのですが、地面の草が派手な花火の火の粉を浴びて、くすぶり燃えだしていたのでした。誰かが通報したのでしょうか。消防署からも人が来ました。群がる人、対応に追われるわたし。
これ、たまたま気がつくのが早く、結果的に小規模なボヤで済んだので、消防署の事情聴取も簡単に終わり、たいしたお咎めもなく終わりました。
この時に「テストしたことは、テストしたとおりにしないと意味がない」ことを思い知らさせれたのでした。
(余談)以前、USJでも同様に低温花火を使うといって使っていなかった問題が発覚したことがありました。特殊効果の関係者に聞くと、やはり低温度花火は「地味」「映えない」ので、派手な普通の花火を使ったようです。今では考えられないぐらいUSJは低迷していたので、少しでも話題にしたかったようですが、別のところで話題になってしまいました。
(おしまい)