身近らの胎児の脳を母なる自分に移植されたエマ・ストーンの演技がすごい。途中から、こういう人だと違和感なく観てしまっていたが、終わってから、そうだったこれ演技だったんだと気づかされてはっとする。
冒頭を除き、モノトーンで魚眼レンズなどをいちいち使ってきて、あるシーンでパッとカラーになった時に、エマ(というかベラ)の自我の芽生えを表していたり、いろいろ演出の細部に気配りがある。
全編通して、パフスリーブの衣装は美しくも悲しく、幼児期の無垢の白にはじまり、世界旅行にでてからのカラー、それから喪服のようでいて裁判官のような黒は誰にも染まらないという意思のあわられととれた。
これはあれだよな、ラプンツェルみたいなとらわれの姫の物語だよねと思い。それでいて、一昔のディズニーのように殿方に依存するわけでもなくといったところが現代的。
明らかに後半になってきて、これ、話の落とし前はどのようにつけるのかなと思っていたら、あんな感じにオチをもってきて、これまた上手いオチを持ってきたなと感心した。
見た目からしてフランケンシュタインの父がわりの外科医とベラ自身がフランケンシュタインという構造。
さて、哀れなるものってのは誰のことなのか。男性なのか主人公なのか。はたまた人類全てなのか。
最後のエンドロールの映像が非常に好みだった。
(追記)極力1次情報は気にしないたちだったので知らなかったけど、これ、セットだったのかー。ちょっとやられた感あるな。オープニングからの刺繍もそういえばよかったんだよ。