プレミアムフライデーが2回目だという。
そう言われて、ああ、そう言えばそんなのあったねという感じで、
世間では「期末」「月末」「週末」の「繁忙3重苦」で誰も気にしていないどころか、
「月末金曜日に設定したセンスの無さ」を嘆き苦しんでいる。
かつてヘレン・ケラーは、
「みんながみんなのために働く、それがほんとうの愛国心」
と語ったそうだけど、わたしは自分が破った仕事の締め切りに追われて、
朝から労働にいそしんでいた。
そんな繁忙の朝が過ぎ、気がついたらランチタイムになっていた。
しかも、午後の打合せまで、あまり時間がない。
じわりと陰鬱な気分におそわれる。
とはいえ、お腹も空いているので、いつもの洋食屋へ
ハンバーグを食べに行った。
注文すると同時に、若いOL2人組がやってきた。
「そういえばさ、今日、本当は午後から休みなんでしょー」
と先輩風の女性。
『本当、やになりますよね。ミレ二アムサンデー』
「サンデーはもともと休みだし、千年に1回じゃありがたみないし」
『ほんじゃ、今日は牡蠣フライにしようかな』
「ダイエットやめたの?」
『今日は、プレミアムなフライデーですからね』
それを盗み聞きしていたわたしは、
彼女らの軽快な口調に、午後からの仕事はちょっと楽しい気分で労働できた。
しばらくすると上司から夜の打ち合わせに参加するようメールがきた。
プレミアムレス。