ひきつづき司馬遼太郎の幕末短編物。暗殺に焦点をおいた「暗殺」とは異なり、どこかやるせない話が続きます。
表題の「アームストロング砲」とういのは、幕末当時の波動砲のようなもので、超破壊兵器。当時イギリスで開発されたばかりの兵器を佐賀藩の藩主が天才に開発を依頼するが発狂して……といった話。やるせないけど面白いです。
もともとこのアームストロング砲は、「花神」の彰義隊との上野戦争のくだりで、秘密兵器氏として書かれており、開発秘話的なものは割愛して書かれていたので気になっていたところでした。
まぁなんていうかやるせなさでは、短編集でも随一かな。天才が発狂するまで根を詰めて……。
このお話を読んで、俄然、佐賀の三重津という当時の海軍工廠のところに行ってみたくなりました。世界遺産なんですね、無知ですませんって感じ。
ただ、ほとんど埋まっていて当時の様子はあまりわからなさそうなんですよね。
九州には足が遠くなっているので、ゆっくりと回ってみたいものです。