あいかわらず、司馬遼太郎の幕末物。
翔ぶが如くを読んで、江藤新平に少し興味が湧いたわたし。
そういや、教科書でも習った気がするけど、何したかわからないレベルでは、高杉晋作どころではない。
前半は、超貧乏~脱藩~さらに貧乏と壮絶な人生の上に、司法卿になる江藤の華麗なる転身、立身出世。
後半は、理論派である一方、どうにも理屈ではないところで征韓論に傾倒したような感のある江藤。そして参議からの転落人生。
オチは、翔ぶが如くでわかっていたのですが、行間が細かく描かれており、わずか七年間の栄光と凋落が楽しめます。
筋的には上記のとおりですが、後半は、大久保、西郷、板垣といった癖のある連中とのすれ違いなど、ああ、現実にも理屈屋でこういう人いるよなと思ったり。
最後の最後は自分の整えた法制度の網にかかり捕縛されるも、超法規的に処刑されちゃいまして、なんとも劇的。
そういう、西郷、大久保もろくな最期ではなく、果たして幕末・明治の勝者はだれだったのかなといつも考えさえられます。