今週のお題「私の『夏うた』」
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夏うたというか、夏を感じる歌といわれて、Van Morrisonの「Redwood Tree」と、どちらかというとそのカバーである。ニューエストモデルの「杉の木の宇宙」がぱっと浮かんできました。懐うたでもあります。
原曲
Redwood Tree - Van Morrison (1972) ~MetalGuruMessiah~
歌詞の内容は、男の子が子犬をつれて散歩にいったら、雷雨に遭遇して杉の木の下で雨宿りをするというものです。歌詞はここにあります。
で、そこにどこに夏があるかというと、中川敬の素晴らしい訳詞を見ればその行間に夏が確かにあります。夏というかどちらかというと夏休み感があります。
訳詞(一)
子犬を連れて 虹探しに行こう
日めくる毎に少年は 何かをほどいた
川べりを抜けて 荒れ野を駆け巡り
襲いかかる夕闇に 全てをあずけたおお杉の木よ 傘下に入れとくれ
小さな瞳 木陰から宇宙を感じてた
吹きつける風と 雷の予感
叩きつける雨から 守っておくれ杉の木よ
少年時代に遭遇した夕立・雷からの避難。嵐への不安と孤独を思い出させてくれます。そして2番につづき、少年の成長と少年期から別れを感じる名曲です。ちなみにこの散歩につれいていったというか、連れ出した子犬ははぐれてしまいます。
林道の脇で 子犬とはぐれたまま
秒刻みに少年は 何かをほどいた
ふりかかる孤独 闇の継ぎ目を走る
襲いかかる草の音に 不安をあずけた
おお杉の木よ 傘下にいれとくれ
小さな瞳 木陰から宇宙を感じてた
吹きつける風と雷の予感
叩きつける雨から 守っておくれ杉の木よ
原詞では、お父さんといっしょに子犬を探すのですが、消えた子犬は永遠に見つからなくなりません……。こうやって少年は大きくなるのですねぇ。
ちなみにこの曲。ニューエストモデルそして解散して、メスカリンドライブとリユニオンしたソウルフラワーユニオンのライブでは、1回もやっていない曲で、Youtubeでもライブ版を聴くことはたぶんないんじゃないかと思います。かろうじて、中川敬のフォークシンガーソロライブの時に生演奏を聞いたことがあります。
その映像はないので、サウザーさん(HONEY MAKER / ex. 騒音寺)の弾き語りをお聞きください。
『杉の木の宇宙』サウザー(HONEY MAKER)@アガッタ!2016/06/10
この名曲がはいっているアルバム「COUTER CENSORSHIP」は、残念ながら入手困難ですが、Amazonなら中古盤をゲットできそうです。 ちなみにこの杉の木の宇宙の前のトラックが、ベルベット・アンダーグラウンドのカバー「おもろのきわみ(We're gonna have real good time together)」Bob Dylanのカバー「嵐からの隠れ家(Shelter from the Storm)」となっていて、名曲3連発になっています。CDもだんだん手に入らなくなっていくんでしょうねえ。
(おしまい)