突然、甲子園で高校野球を見に行こうと親父にさそわれて行くことにした。
縁ももゆかりもない、都城高校の応援席だと覚えているが、対戦相手は覚えていない。 父もさほど野球に詳しいわけでもプレイヤーだったわけでもなく、なんか不思議な誘いだった。
当時住んでいた、滋賀県から甲子園までどうやっていったのかな。 たぶん、梅田で阪神に乗ったんじゃないかな。
甲子園について、縁もゆかりもない都城高校を応援することが気恥ずかしくって、ただ試合を観ているだけだった。 手持ち無沙汰になって、かち割り氷を買ってもらった。
溶けた氷をチュウチュウと吸っている間に試合は終わり、氷がなくなるのをきっかけに僕たちは帰路についた。