大阪の梅田から福島か中之島あたりへ向かおうとすると、大きな交差点の反対側から、小脇にオレンジ色のアンプスピーカーをかかえたK氏さんマイクでがなっている。
内容は忘れたが、どうもこの世の中を憂いているようで必死に叫んでいるものの、周りの人は「ああ、あたまのかわいそうな人」という感じでだれも足をとめない。
わたしはすれ違いざまに「あ、Kさんだ」と思い、挨拶をする。
そうするとKさんが
「大阪でもこんな状況か、田舎も随分ひどいものだが、都会でも全くだめだな」とぐちをこぼす。
あんまりつきあいたくないような、20年来会っていないので近況でもお話しようかと思い、向きを反対にしてKさんとともにしばらく歩き会話をしたものの、
「あ、なんか、違う感じ」がして、また踵を返して、梅田へ慌てて向かった。
(ただし、方角は中之島へ向かっている感じだった)